美容室と友人

美容室へ行くと、必ず天罰を受けて帰って来る友人がいます。

あるとき、美容院帰りの友人と待ち合わせをしていたところ、こちらに向かって歩いてくるレスラーのような髪型の女性が目に止まりました。

言うまでもなく、それは友人でした。

赤毛のアンもびっくりの赤毛具合で、「赤色っぽい」のではなく、トマトケチャップで染めたかのように真っ赤でした。

髪色だけでも強烈なインパクトなのに、髪型も見る者の心を鷲掴みにするような、通行人は思わず道を開けてしまうような、そんな有無を言わさぬ迫力があったのです。

何というか、パンクというか、ロックというか、強風がなびいているというか、無重力というか、とにかく完全なる布袋寅泰でした。

とてもおもしろい事実なのですが、友人はお花屋さんで働いています。

友人の頭から咲いているのは、まがうかたなき一輪のカーネーションでした。

お坊さんのようなお仕事用ヘアーにアレンジしたのかと思いましたが、「あいつ許さない」と言っていたので、おそらく大失敗したのだなと思いました。

正直、隣を歩くのは嫌だなと思いましたが、そんなことも言えないくらい仕上がりが怖かったので、「夏っぽくていいよ」と決死のフォローを入れました。

驚いたことに、那覇でカットモデルを募集している美容室で「気持ち赤めで、夏っぽいショートにして下さい」とお願いして、こうなったそうです。

またあるときは、爆発した研究所から命からがら脱出してきた博士のような髪型をしていたときがあります。

思わず「どうしたの!?」と心配して駆け寄りそうになりましたが、「あいつ許さない」と言っていたので、また大失敗したのだと思いました。

本当は笑いたかったですが、よく見るとウニのようでかわいかったので、「ダンス上手そうでイケてるよ」と決死のフォローを入れました。

驚いたことに、美容室には「ゆるふわパーマで」とお願いしたそうです。

ここまでくると、友人の髪質に問題があるのかもしれません。

それに、毎回のように天罰を受けているのに、何故美容室を変えないのでしょうか。